スレート屋根塗装の必要性と失敗しない塗装目安を劣化症状別に解説

  • 2020年4月21日
  • 屋根塗装
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スレート瓦の塗装

スレート屋根はコロニアルやカラーベストに代表されるセメント質の屋根材を使用した屋根です。塗装により防水性能を確立しているため、10年に1度を目安に屋根塗装によるメンテナンスが必要です。

しかし、スレート屋根は訪問販売業者に「瓦がひび割れていますよ」「屋根の板金が浮いていますよ」と屋根の劣化を指摘されやすく、相場よりもはるかに高額な金額で屋根塗装を施工する人も少なくありません。

そのため、スレート屋根の適切な塗装のタイミングや屋根塗装の費用相場を理解して臨むことが重要です。

そこで、この記事ではスレート屋根の塗装で失敗しないために、初心者の人が最低限知っておくべき基礎知識をお伝えします。

スレート屋根を長持ちさせる適切な屋根塗装のタイミングや塗料の選び方、費用相場について具体的に解説しています。

適正価格で高品質な、屋根塗装を実現できるようになるので、是非、参考にしていただければと思います。

1.スレート屋根塗装の塗装の必要性

スレート屋根の代表的な屋根材にコロニアルやカラーベストがあります。10年に1度を目安に屋根塗装によるメンテナンスが必要です。

屋根塗装は建物の美観を回復させることも目的の一つです。一方で、「屋根材を長持ちさせて無駄なメンテンス費用を削減すること」「雨漏りから建物の資産価値を守ること」が屋根塗装を行う本来の目的です。

スレート屋根の塗装の必要性を正しく理解するために、「スレート瓦の特徴」と「屋根の構造」の2つのポイントからスレート屋根の塗装の必要性を見ていきましょう。

1-1. スレート瓦の主成分から見る屋根塗装の必要性

スレート瓦はセメント85%、石綿(アスベスト)15%を主成分とする屋根材です。スレート瓦本体に防水性能は無いため、工場で生産される際、初期塗装が施されています。

築年数10年前後のタイミングで初期塗装が劣化し、様々な劣化症状が発生するようになります。

チョーキング現象は、紫外線の影響で表面の塗装がチョークの粉のように屋根材表面に吹き出す劣化症状ですが、塗装の防水性がサインでありスレート瓦の最適な塗装目安になります。

このようにスレート瓦はセメントを主成分とした屋根材であり、塗装により防水性能を確立していることから、屋根材を長持ちさせるために屋根塗装が必要です。

1-2. スレート屋根の構造から見る屋根塗装の必要性

スレート瓦の劣化症状を放置すると、屋根の躯体(内部構造)まで劣化が進行し、雨漏りに発展します。屋根塗装ではメンテナンスができずに、屋根を新しく張り替える、葺き替え工事が必要になり、メンテナンス費用が高額になります。

 

スレート屋根の塗装

上記の画像はスレート屋根の構造です。スレート屋根は野地板(のじいた)と呼ばれるベニア合板の上に、防水シート(ルーフィング)を被せ、その上にスレート瓦を葺きます。

スレート瓦は野地板に釘を打ち付けて固定されているため防水シートを貫通しています。塗装によりスレート瓦の防水性能が機能し、水を弾いている状態であれば問題ありません。

しかし、塗装の防水性能が低下してスレート瓦が水を吸収するようになると、釘をつたいジワジワと屋根の内部に水が染み出していきます。最終的には屋根内部の野地板を腐食させ、雨漏りに発展します。

このように建物の内部に水を侵入させないためにも、スレート屋根は適切なタイミングで屋根塗装を行い、防水性能を保っておく必要があるのです。

2.スレート屋根の塗装の時期とタイミング

スレート屋根のメンテナンスサイクル

スレート屋根はこれまでのメンテナンスの履歴や、屋根材の劣化症状によって最適なメンテナンス方法が異なります。

一般的にスレート瓦の寿命(耐用年数)は20年〜25年と言われており、屋根塗装によるメンテナンスでは費用対効果を発揮できないケースもあります。

そのため、スレート屋根の劣化症状と将来的なメンテナンスサイクルを理解して適切なリフォーム工法でメンテナンスを行うことが重要です。

そこで、まずは現時点での屋根塗装の必要性を理解するために、「塗装が推奨されるケース」と「塗装が推奨されないケース」を下記にまとめました。

●塗装が推奨されるケース

築年数10年前後で初めての屋根塗装。

築年数20年前後で、8年〜12年前に一度、屋根塗装を行なっている。

●塗装が推奨されないケース
・築年数20年以上、何もメンテナンスを行なっていない。
・築年数30年以上でスレート瓦の寿命(耐用年数)が経過している。
・雨漏りが発生している。

スレート屋根の塗装は屋根材の本体(基材)の劣化が軽度な場合に有効なメンテナンス方法です。

一方で、屋根材の本体(基材)の劣化が激しく、寿命(耐用年数)が迫っている場合、カバー工法や葺き替えなどの屋根材の張り替え工事の方が費用対効果を発揮できます。

スレート屋根の屋根塗装のメンテナンスのタイミングを適切に見極めるために、スレート瓦に発生する劣化症状と屋根塗装の必要について具体的に見ていきましょう。

2-2. スレート屋根の劣化症状と塗装目安

スレート屋根はチョーキング現象が発生したタイミングが最適な塗装目安になります。

チョーキング現象のタイミングで屋根塗装を行うことで、スレート瓦の本体(基材)を傷めずに保存ができるため、屋根材が長持ちするようになります。

一方で、屋根材の劣化を放置して、スレート瓦の本体(基材)まで劣化が進行していた場合、屋根塗装によるメンテナンスでは費用対効果を発揮できないため、屋根の劣化の進行状況を正しく見極めることが重要です。

具体的にスレート屋根に発生する劣化症状と塗装の必要性について見ていきましょう。

【8年〜10年】チョーキング現象

チョーキング現象が発生したスレート瓦

築8年〜10年を目安に色褪せ、チョーキング現象が見られるようになります。

チョーキング現象は太陽の紫外線の影響で塗装が劣化し、チョークの粉のように屋根材の表面に吹き出す劣化症状です。

チョーキング現象は塗装の屋根の防水性能が低下し始めるタイミングであることから、スレート屋根の最適な塗装目安になります。

チョーキング現象を放置すると、屋根材が水を吸収するようになり、屋根材が脆くなってしまい屋根材の寿命を縮めてしまうため、築8年〜10年のチョーキング現象のタイミングで屋根塗装を行うようにしましょう。

【10年〜15年】カビ・コケの発生

コケの発生したスレート瓦

チョーキング現象の発生を放置するとカビやコケが発生するようになります。

チョーキング現象により屋根の防水性能が低下し、空気中に漂うコケやカビの粒子が屋根に根付き、繁殖するようになるからです。

コケやカビが生えるようになると、スレート瓦が水分を吸収するようになり、屋根材自体が脆くなってしまいます。

カビやコケは10年〜15年を目安に発生しますが、日が当たらない北面の屋根はコケやカビの発生も早く、多く見られるため、北面の屋根の劣化の進行度を基準に、屋根塗装を検討することが重要です。

屋根塗装を行う際は、高圧洗浄でキレイにコケやカビを洗い流し、下地を整える必要があるため、熟練度の高い、塗装専門業者に工事を依頼することが重要です。

【10年〜15年】ひび割れ・欠け

スレート瓦のひび割れ

スレート瓦が水分を吸収するようになると、水分で膨張し、乾燥して収縮を繰り返すようになり、早くて10年、遅くても15年ほどでひび割れ(クラック)や欠けが発生するようになります。

スレート瓦は屋根の野地板に釘を打ち付けて固定されています。膨張と収縮を繰り返すことで、圧力がかかり釘で固定している箇所から少しずつひび割れが発生します。

ひび割れを放置すると、最終的にはスレート瓦が欠けてしまいます。数枚程度の欠けであれば、スレート瓦の交換や部分補修で修理が可能です。

一方で、全体的に欠けが発生している場合は、屋根塗装ではメンテナンスができずに、カバー工法や葺き替えなどの屋根材の張り替え工事が必要になります。

メンテナンス費用が高額になるため、ひび割れや欠けを確認できた段階で、屋根塗装によるメンテナンスを行うことが重要です。

【15年〜20年】反り・欠落

スレート瓦の反り

スレート瓦が水分を吸収するようになると、反りが発生するようになります。

ひび割れと同じように、晴れた日に急激にスレート瓦の表面が乾燥することによって、スルメを焼いた時と同じようにスレート瓦が反ってしまいます。

スレート瓦が反ることで屋根材同士に歪みが生じ、小さな圧力でも割れてしまうようになります。反りが重症化するとスレート瓦が根元から割れて「欠落」する危険もあります。

一度反ってしまったスレート瓦は元には戻りません。屋根塗装の寿命(耐用年数)を低下させ、本来の費用対効果を発揮できない場合もあります。

塗装業者にしっかりと現地調査を行なってもらい、カバー工法による屋根材の張り替えも含めてメンテナンス方法を検討しましょう。

屋根板金の釘の浮き

【棟板金とはスレート屋根の頂点に設置されている金属製のカバーです。スレート瓦と同様に、10年〜15年を目安に劣化し、「錆び」や「釘の浮き」などの劣化症状が発生します。

棟板金は塗装により防水性能を確立しているため、8年〜10年を目安にチョーキング現象が発生します。チョーキング現象を放置すると、防水性能が低下し、錆びが発生するようになります。

また、棟板金は棟下地と呼ばれる木材板に釘で固定されています。

この釘も熱膨張により少しずつ抜けて、浮いてくるようになります。その釘の浮いた箇所から雨水が侵入し、棟板金内部の棟下地を腐食させてしまいます。

棟下地が腐食すると釘が固定されなくなります。台風の強風で棟板金が外れたり、飛散することも珍しくないため、屋根塗装の際にメンテナンスが必要になります。

このようにスレート屋根は屋根材の劣化だけではなく、棟板金の劣化も含めてメンテナンスを行うことを理解しておきましょう。

2-1.スレート屋根のメンテナンスサイクル

スレート屋根のメンテナンスサイクル

スレート屋根の寿命(耐用年数)はメンテナンスによって大きく変動します。そのため、メンテナンスサイクルもメンテナンスの実施状況によって大きく異なります。

10年に1度を目安に屋根塗装を行なった場合のスレート屋根の寿命は30年〜35年と言われています。

チョーキング現象が発生し屋根材の防水性能が低下する「10年」「20年」を目安に屋根塗装を行います。

そして、「30年」を目安にカバー工法でガルバリウム鋼板に屋根材を張り替えるのが一般的なスレート屋根のメンテナンスサイクルです。

一方で、屋根塗装によるメンテナンスを行わなかった場合のスレート屋根の寿命は20年ほどだと言われてます。

そのため、20年〜25年を目安にカバー工法でガルバリウム鋼板に張り替えるのが一般的です。

このようにスレート屋根のメンテナンスの実施状況によって、最適なメンテナンス方法が異なるために屋根材の劣化症状とこれまでのメンテナンスの履歴を確認して判断することが大切です。

3.スレート屋根塗装の塗料の種類

塗料 耐用年数 特徴 代表塗料
シリコン系塗料 8年〜13年 耐用年数(寿命)と施工費用のコストパフォーマンスが高い。スレート屋根塗装の標準塗料。 ・ファインベストシリーズ(日本ペイント)
・ヤネフレッシュシリーズ(エスケー化研)
ラジカル系塗料 10年〜15年 シリコン塗料と同じ価格帯でありながら、ラジカル制御技術で耐用年数の長期化に成功。近年普及し始めた次世代塗料。 ・ファインパーフェクトベスト(日本ペイント)

・エスケープレミアムルーフ(エスケー化研)

フッ素系塗料 15年〜20年 耐用年数が非常に長期的だが、施工費用も高額。メンテナンスサイクルを長期化させたい場合に有効。 ・ファインベストシリーズ(日本ペイント)

・ヤネフレッシュシリーズ(エスケー化研)

遮熱系塗料 15年〜20年 太陽の光を反射して屋根材の温度を下げる。屋根材の劣化速度を低減できる。 ・サーモアイシリーズ(日本ペイント)

・パーフェクトクーラーベスト(日本ペイント)

・クールタイトシリーズ(エスケー化研)

・快適サーモシリーズ(水谷ペイント)

断熱系塗料 12年〜18年 屋根材の断熱効果高め建物内の温度を一定に保つ。工場や倉庫などの大きな屋根の場合、電気代の節約が期待できる。 ・ガイナ(日進産業)

スレート屋根の塗装はシリコン塗料、ラジカル塗料の使用をオススメします。

スレート屋根は割れやすく、フッ素塗料や遮熱塗料の高級塗料を使用しても、屋根材が割れてしまっては意味が無いからです。

スレート屋根はひび割れが発生しやすいため、敢えて10年に1度を目安に、ひび割れの屋根塗装の機会を設けるのが基本です。

シリコン塗料、ラジカル塗料の耐用年数10年前後なのスレート屋根のメンテナンスサイクルとして最適です。

3.スレート屋根塗装の費用相場

建坪 シリコン塗料 フッ素塗料 遮熱・断熱塗料(ガイナ)
25坪 ¥390,200〜¥483,400 ¥479,200〜¥580,500 ¥479,200〜¥580,500
30坪 ¥438,700〜¥543,650 ¥545,000〜¥660,200 ¥545,000〜¥660,200
35坪 ¥487,600〜¥604,250 ¥613,300〜¥742,750 ¥613,300〜¥742,750
40坪 ¥533,700〜¥661,350 ¥677,000〜¥819,750 ¥677,000〜¥819,750
45坪 ¥574,900〜¥712,350 ¥735,800〜¥890,650 ¥735,800〜¥890,650
50坪 ¥626,500〜¥776,000 ¥807,100〜¥976,700 ¥807,100〜¥976,700
スレート瓦屋根で寄棟屋根の住宅を基準に算出しています。

スレート屋根塗装の費用相場は40万円〜50万円が相場です。

これは日本で普及率の高い建坪が25坪〜35坪の住宅をシリコン塗料で塗装をした際の中心価格帯になります。

屋根塗装は「塗装面積」と「塗料の種類」と「施工単価」によって価格が変動します。

そのため、建坪が40坪を超える大きな住宅や、フッ素塗料や断熱塗料などの高級塗料を使用した場合、相場価格よりも高額になります。

また、シリコン塗料を使用した外壁塗装であっても、ハウスメーカーや訪問販売業者などの施工単価が高額な業者に依頼すると相場価格よりも高額になります。

このようにスレート屋根塗装の費用相場は、40万円〜50万円ですが、「塗装面積」と「塗料の種類」と「施工単価」によって費用が変動するために、事前に屋根塗装の費用相場を理解して臨むことが重要です。

4.スレート屋根塗装の施工工程と施工期間

スレート屋根塗装は「高圧洗浄→下地補修→下塗り→中塗り→上塗り→縁切り」の手順で塗装工程が進みます。

スレート屋根の塗装の具体的な塗装工程と期間は下記の通りです。

工程 施工期間 内容
ご挨拶・塗装準備 1日目 ご近所に塗装工事を始める前のご挨拶を行います。工事中はトラックが出入りし、足場の設置や高圧洗浄工程で騒音が発生します。近隣トラブルに発展しないように事前にご近所の挨拶に伺います。
足場の設置 2日目 住宅の周りに足場を設置します。屋根塗装であっても職人の安全を守るために足場の設置は必ず必要です。
高圧洗浄 3日目 屋根の汚れを専用の高圧洗浄機で洗い流す工程です。高圧洗浄中は窓が開けられず、洗濯物も外には干せません。
下地補修 4日目 スレート瓦のひび割れ(クラック)の補修や、棟板金の錆び落とし(ケレン)作業を行います。
養生 5日目 天窓(トップライト)やドーマーやなどの塗料が付着してはいけない箇所をビニールシートなどで保護します。車や植木なども養生します。
下塗り 6日目 シーラーと呼ばれる下塗り専用塗料で塗装をします。シーラーは塗装の下地を調整し、中塗り塗料の密着性を高める役割があります。
中塗り 7日目 中塗りはシリコン塗料やフッ素塗料などのメイン塗料での塗装工程です。
上塗り 8日目 中塗りで使用した塗料を重ね塗りを行います。仕上げの塗装で塗膜(塗装の厚み)などの仕上がりを調整します。
縁切り 9日目 塗料によってくっついたスレート瓦をカッターやスクレーパーで剥がす工程です。タスペーサーと呼ばれる、屋根材の間に差し込む製品が主流です。
点検・手直し 10日目 「塗り残し」や「塗りムラ」の確認をします。仕上がりに不備があれば手直しを行います。
足場の解体・清掃 11日目 足場を解体し、清掃を行います。

塗装工事が順調に進んだ場合のスレート屋根塗装の施工期間は最低でも11日が目安です。雨などで施工期間が延びた場合を考慮して、2週間前後を見込んでおくと良いでしょう。

まとめ

いかがでしたか?スレート屋根の塗装の必要性や最適な塗装目安についてご理解いただけたかと思います。

また、スレート屋根塗装を行う際に知っておくべき基礎知識についても解説させて頂きました。

スレート屋根塗装ではシリコン塗料、ラジカル塗料を選ぶべき理由や、適正価格を建坪別に解説させて頂きました。

10年に1度の屋根塗装の機会を無駄にしないために、しっかりと事前知識を身につけて優良業者で塗装工事を行うことが何よりも重要です

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