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外壁カバー工法(重ね張り)はどこが優れているのか

  • 2017年2月11日
  • 工事の流れ・工程基礎知識
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外壁リフォームでは、外壁をきれいにしたあとに塗料を塗っていく外壁塗装が一般的ですが、外壁材にひび割れが発生するなど、劣化が一定以上進んでしまった場合にはカバー工法(重ね張り)を行うことになります。

カバー工法は、今ある外壁材の上に新しい外壁材を重ねて貼るリフォームで、屋根リフォームでもよく採用されています。そんなカバー工法の特徴をご紹介していきます。

カバー工法とその他の外壁リフォームの比較

外壁リフォームの工法は大きく分けると3種類です。外壁の劣化進行度によって適切なリフォームが異なるのですが、それぞれの特徴は次のようになっています。

  外壁塗装 カバー工法
(重ね張り)
張り替え
工期 8~10日程度 10日程度 14日程度
対応する劣化症状 変色・褪色
チョーキング現象
カビ・コケの発生
ひび割れ
塗料の剥がれ・膨れ
外壁内部の腐食
施工内容 外壁材を洗い流したあとに保護機能を持った塗料を塗る。塗装できない外壁材もある。 既存の外壁材の上に新しい外壁材を重ねて貼り付ける。 既存の外壁材を取り除いたあとに新しい外壁材を貼り付ける。

カバー工法のメリット

長期的な目で見るとコスト削減になる

外壁塗装は10年サイクルで塗り替えとシーリング(外壁材のつなぎ目)の補修を行うことになります。

一方、カバー工法の場合は、ガルバリウム鋼板など高耐久な素材を重ねると、シーリングの補修だけで済むので、仮に20年間現在の住宅に住むとした場合、カバー工法の方が初期コストこそ割高ですが、長期的にはメンテナンスのコストを削減することができます。

45坪(外壁面積150平方メートル)の外壁リフォーム

遮熱性・遮音性が向上する

既存の外壁にサイディングを重ね張りすると、外壁材と外壁材の間に熱をためこむ空気の層ができます。夏は熱を防ぎ、冬は熱を逃がさないので冷暖房代の節約もできるんです。

また、カバー工法はその名の通り、外壁材の上に外壁材を重ねるので、防音性能の向上も見込めます。

デザインの自由度が高い

サイディングは、窯業系サイディングの木目調、タイル調や金属系サイディングのメタリックデザインなどデザインの幅が広いのが特徴で、カバー工法では好みにあうサイディングを組み合わせたりと、新築にした時のように外観を一新できます。

張り替えと比べて工事日数がかからない

外壁材の解体や廃材処理の手間がかからないので、張り替え工事と比べて工期が短いのと、外壁材を解体しないので、工事期間中に家に住めないといったこともないです。

カバー工法のデメリット

初期費用がかかる

新しい外壁材を新調することになるので、外壁塗装と比べると初期コストがかさむのは避けられないでしょう。

45坪(外壁面積150㎡)2階建て住宅で外壁リフォームをした場合の初期コストは次のようになります。

外壁塗装

材料費 塗料 工事費用に含む
工事費用 外部足場、シート養生
外壁塗装(吹き付け)
縁張り、土台水切り
付帯工事(高圧洗浄、軒天、破風板)
100万円
合計 100万円

カバー工法(重ね張り)

材料費 サイディング、下地用材料 60万円
工事費用 外部足場、シート養生
サイディング張り
縁張り、土台水切り
付帯工事(高圧洗浄、軒天、破風板)
130万円
合計 190万円

地震に弱くなる

既存の外壁に新しい外壁材を重ねることになるので、外壁自体の重量が上がります。建物は、重量があるほど地震への耐性が下がってしまうので、重いサイディング材を使うと剥がれやズレを起こす確率があがります。

技術力の低い職人だと失敗する可能性がある

カバー工法は、他の外壁リフォームよりも施工が難しく、ただ重ね張りをすればいいというわけではありません。知識と技術を持った職人でなければ、外壁内部に湿気がたまり結露が発生してしまうなどの症状を起こしてしまいます。

カバー工法で失敗しないために

カバー工法(重ね張り)を検討される方は、次のポイントを押さえておきましょう。

  • 現在の外壁の状態を正確に調査できる業者を選ぶ
  • 重ね張りをする外壁材は金属サイディングなど軽いものを選ぶ

カバー工法をするにあたっては、下地である既存外壁の状態がどうなっているかの調査が非常に重要です。

カバー工法では、建物内部の土台や柱の状態の確認ができません。既存外壁の劣化具合で、建物内部の状態を判断することになるので、もし調査を誤り、土台や柱が腐っているのを見逃したまま工事をしてしまうと、外観は綺麗なっても建物内部はボロボロのままで、建物の寿命を縮めてしまうことになります。

重ね張りに使う外壁材は金属系サイディング(ガルバリウム鋼板など)などの軽い材料にしましょう。カバー工法の弱点である、耐震性の低下を軽減できます。

施工業者を選ぶ際は、カバー工法の実績があり、外壁の状態を正確に判断できる提案力の高い業者にお願いをしてください。

まとめ

カバー工法は外壁リフォームの中でも、既存外壁の新しい外壁を重ね張りするという特殊な工法です。

長期的な目で見れば、コストを抑えることができるうえに、新築のように全く新しい外観にできるとても魅力的なリフォーム工法ですが、職人に求められる技術力は高くなります。

外壁リフォームの中でも、特に現地調査が重要な工法なので、面倒ではありますが複数の業者に調査を依頼しましょう。

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