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サイディングの塗装の必要性と失敗しないための基礎知識を全解説

  • 2020年2月7日
  • サイディング
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サイディングの塗装

サイディング(窯業系)は、戸建住宅の「7割」で使用される、日本でもっとも普及している、外壁材です。

サイディングは塗装により防水性能を確立しているため、塗装が劣化し始める「10年」を目安に、再塗装を行う必要があります。

サイディングの塗装は、ハウスメーカーや大手リフォーム会社もちろん、街の塗装店まで、様々なリフォーム会社が対応しています。

しかし、サイディングの塗装は、手抜き工事も多く、「塗料を薄めて使用する」「必要な工程を省く」などの手抜き工事が、横行しているのが現状です。

そのため、業者を選ぶ際は、事前に、サイディング塗装について、正しい知識を持って臨むことが何よりも重要になります。

そこで、この記事では、サイディングの塗装で失敗しないために、初心者の方が必ず知っておくべき、基礎知識についてまとめました。

サイディングの「塗装が必要な劣化症状」や「費用対効果の高い塗料の種類」「適正価格で高品質な施工を実現する業者の選び方」など、サイディングの塗装で、有利になる情報をまとめたので、ぜひ、参考にしていただければと思います。

1.サイディング塗装の必要性

サイディングは10年〜12年を目安に、再塗装が必要です。理由は、下記の3つの通りです。

  • サイディングの防水性能を回復させるため
  • 建物の美観(外観)を整えるため
  • 建物の内部に雨水が侵入するのを防止するため

それぞれ、具体的に見て行きましょう。

【必要性1】サイディングの防水性能を回復させるため

サイディングの防水性能を回復させるために、再塗装が必要です。

サイディングの防水性が低下すると、サイディングが水分を吸収するようになり、最終底には雨漏りに発展します。

サイディングのチョーキング現象

防水性能が低下したサイディングは、「保潤と乾燥」を繰り返すことで、スルメのように、変形(反る)します。

サイディング自体も脆くなり、ボロボロと、剥がれるようになります。そして、最終的に雨漏りに発展します。

このように、サイディングの防水性能を回復させるために、再塗装が必要です。

【必要性2】建物の内部に雨水が侵入するのを防止するため

サイディングとサイディングの隙間には、「コーキング」と呼ばれるゴム状のパッキンが埋め込まれています。

このコーキングが劣化することで、隙間が生じ、外壁内部に雨水が侵入するようになります。

そうすると、外壁を内側から腐食させてしまうため、再塗装を行いコーキングも含めて、メンテナンスを行う必要があります。

コーキングの雨水の侵入経路

上記の画像はサイディングの構造の図ですが、サイディングは外壁面のみ塗装がされており、側面、裏側は塗装がされていません。

コーキングの劣化から内部に侵入した雨水が、側面や内側からサイディングに浸透して、最終的には腐食させてしまいます。

また、外壁内部に侵入した雨水が、サイディングをつたい、躯体(サッシや内壁)まで到達することで、雨漏りが発生します。

このように、建物の内部に雨水が侵入するのを防止するため、外壁塗装を行うタイミングで、コーキングも、メンテナンスを行う必要があります。

【必要性3】建物の美観(外観)を整えるため

サイディングは経年劣化で塗装が「色褪せ・変色」などが発生して、建物の美観が損なわれます。建物の美観を回復させるために、再塗装が必要です。

サイディングの経年劣化の様子

上記の画像は、外壁塗装後の外壁と、10年が経過したサイディングの比較写真です。経年劣化で「色褪せ・変色」が発生して、薄くなっているのが分かると思います。

このようにサイディングの塗装は、経年劣化ですっかり汚れてしまった建物の美観を、回復させる目的があります。

2.サイディングの劣化症状と塗装目安

サイディングは、築10年前後のチョーキング現象が、発生したタイミングが最適な塗装目安になります。

チョーキング現象はサイディングをこすると、チョークの粉のような、サイディング本体を無傷な状態で保存できるからです。

サイディングの劣化は下記の図のように進行します。

サイディングの経年劣化の様子

サイディングの劣化症状は、大きく分類して「塗装の劣化」「コーキングの劣化」「サイディング本体の劣化」という順番で進行します。

「塗装の劣化」のタイミングで再塗装を行うことで、サイディング本体に劣化が侵食していない状態で保存できるため、サイディングが非常に長持ちするようになります。

一方で、サイディングの劣化が進行して、サイディング本体が「腐食」してしまうと、塗装の下地として利用できなくなるため、「張り替え」が必要になります。

そのため、サイディングの塗装は塗料の劣化症状の、チョーキング現象のタイミングで行うことが重要です。

サイディングに発生する劣化症状を一覧表としてまとめました。自宅のサイディングの劣化症状を確認する際に、利用していただければと思います。

劣化症状 画像 発生時期 分類 内容
チョーキング現象 サイディングのチョーキング現象 8年〜10年 塗装の劣化 外壁を擦ると手に白い粉が付着する劣化症状。塗料の劣化の初期症状。
コケ・藻の発生 サイディングのコケ・藻の発生 10年〜15年 塗装の劣化 外壁の防水性が低下して、コケや藻が発生している状態。
ひび割れ コーキングのひび割れ 8年〜10年 コーキングの劣化 コーキングの表面に小さなひび割れが入る。
剥離(はくり) コーキングの剥離 10年〜15年 コーキングの劣化 サイディング(外壁材)と隙間が生じている
破断(はだん) コーキングの断裂 15年〜20年 コーキングの劣化 コーキングが裂けている状態。
欠落(けつらく) コーキングの欠落 20年〜 コーキングの劣化 コーキングが取れている状態。
ひび割れ・欠け・反り サイディングのひび割れ 15年〜20年 サイディング本体の劣化 サイディングが水分を吸収して反るようになる。歪みが生じてひび割れや欠けが発生する。
腐食・剥がれ サイディングの腐食 20年〜 サイディング本体の劣化 サイディングがボロボロに剥がれる。

3.サイディング塗装の塗料の選び方

ここからは、サイディング塗装の塗料の選び方について、見て行きましょう。

3-1. サイディング塗装の塗料の種類

現在、サイディングの塗装において、費用と耐用年数(耐久性)がバランスが良く、コストパフォーマンスに優れてことから、「シリコン塗料」がスタンダードな塗料として定着しています。

「シリコン塗料」以外にも「ウレタン」「ラジカル」「フッ素」などが人気で、それぞれ、施工単価と、耐用年数が異なります。

塗料の修理 施工単価 耐用年数 概要
ウレタン塗料 1,500円~2,500円/㎡ 6年~10年 ・耐久度は安定している
・コストパフォーマンスが高い
・汚れや色褪せに強く耐久性や施工性などバランスがよい
・最近はシリコン人気が強いため、使われる頻度は低い
シリコン塗料 2,000円~3,500円/㎡ 8年~15年 ・耐久度に信頼のある塗料
・住宅の屋根、外壁の塗り替えでもっとも多く使用されている
・汚れや色落ちに強い・防カビ性・防藻性など高い性能あり
ラジカル塗料 2,200円~3,500円/㎡ 10年~13年 ・耐久度に信頼のある塗料
・2012年に発売された新しい塗料
・シリコン同様、コストも低い
フッ素塗料 3,000円~5,000円/㎡ 15年~20年 ・耐久度はトップクラス
・耐用年数はもっとも優れているがコストが高い
・主に商業施設や大きなビルなどで使用されている
・光沢感と防汚性も高い
・近年は住宅の外壁用としても使われている

上記の表は、サイディング外壁塗装の予算や、将来のメンテナンスサイクルを予測しながら、適切な塗料を、選択することが重要です。

なお、塗料の種類は大きく分類して4種類ありますが、一括りに「シリコン塗料」と言っても、様々な製品があります。

サイディングの塗装で人気の製品をご紹介しているので、ぜひ、参考にしていただければと思います。

製品 塗料メーカー 塗料の種類
クリーンマイルドウレタン エスケー化研 ウレタン塗料
水性ファインウレタンU100 日本ペイント ウレタン塗料
クリーンマイルドシリコン エスケー化研 シリコン塗料
セラMシリコンIII 関西ペイント シリコン塗料
ハナコレクションシリーズ 日本ペイント シリコン塗料
ファインシリコンフレッシュ 日本ペイント シリコン塗料
アレスダイナミックTOP 関西ペイント ラジカル塗料
エスケープレミアムシリコン エスケー化研 ラジカル塗料
クリーンマイルドフッソ エスケー化研 フッ素塗料
ファイン4Fセラミック 日本ペイント フッ素塗料
ルミステージ AGCコーテック フッ素塗料

3-2. サイディング塗装の種類

一般的に外壁塗装は塗装は塗料で外壁を塗りつぶす「べた塗り」が基本です。

一方で、意匠性サイディングなど、デザインに富んだ外壁の場合、「クリヤー塗装」や「二色塗り分け」といった塗装方法も施工可能です。

サイディング塗装の塗装方法について詳しくみていきましょう。

クリヤー塗装

クリヤー塗装は、無色透明の「UV塗料」や「クリヤ塗料」を使用して、意匠性サイディングの模様や質感を保持する塗装方法です。
ただし、サイディングをクリヤー塗装をするには下記の2つの条件があります。

  • 新築から10年未満
  • サイディング表面の風化、汚れ、傷が少ないこと。

クリヤー塗装の仕上がりは、サイディングの状態に大きく左右されます。経年劣化が進行したサイディングはもちろん、傷や汚れが付着している場合は、施工できません。

クリヤー塗装を検討する際は、必ず現地調査を行い、専門家のアドバイスを聞きながら決断することが重要です。

二色塗り分け塗装

クリヤー塗装が施工できない外壁材であっても、「二色塗り分け塗装」を行うことで、質感やデザイン性を保持することができます。

タイル調やレンガ調などの凹凸がある、意匠性サイディングの場合、タイル(レンガ)部分と、目地部分で色分けすることで、タイルやレンガの質感を演出することができます。

「クリヤー塗装はできないけど、サイディングの雰囲気を残したい」という場合に、二色塗り分け塗装は有効です。

4.サイディング塗装の費用相場

サイディング塗装の費用相場は「100万円〜120万円」が相場です。

日本の戸建住宅でもっとも普及率の高い、建坪30坪〜35坪の二階建ての戸建住宅を、シリコン塗料で塗装した場合の、金額になります。

サイディング塗装の費用は、建物の大きさ(塗装面積)と、「シリコン」や「フッ素」などの塗料の種類によって、大幅に変動します。

サイディング塗装の費用相場を、塗料の種類と建坪別に一覧表としてまとめました。

塗料の種類 25坪〜29坪 30坪〜39坪 40坪〜49坪
ウレタン塗料 ¥862,680〜¥928,200 ¥941,850〜¥1,066,650 ¥1,084,200〜¥1,194,960
シリコン塗料 ¥928,200〜¥999,440 ¥1,014,130〜¥1,149,850 ¥1,168,960〜¥1,289,080
ラジカル塗料 ¥960,960〜¥1,035,060 ¥1,050,270〜¥1,191,450 ¥1,211,340〜¥1,336,140
フッ素塗料 ¥1,059,240〜¥1,141,920 ¥1,158,690〜¥1,316,250 ¥1,3384,80〜¥1,477,320

こちらの金額は、実際に積算を行い、算出した金額になりますが、外壁塗装は一般的に適正価格が浸透していないため、相場価格よりも、はるかに高額な金額を「ふっかる」業者も多いです。

このような悪徳業者にひっかからないために、事前に自宅のサイディング塗装の、適正価格を理解しておくことが重要です。

5.サイディングの塗装の注意点

最後にサイディング塗装で失敗しないために、事前に理解しておくべき注意点についてお伝えします。

5-1.直張り工法のサイディングは塗装ができない

サイディング外壁には「通気工法」と「直張り工法」の2つの種類の工法が存在します。

通気工法と直張り工法の違い

上記の図は「通気工法」と「直張り工法」の図ですが、サイディングの裏側に通気を確保するのが「通気工法」、逆に、通気を確保しないのが「直張り工法」です。

その中で、「直張り工法」で施工されたサイディングは、塗装ができません。なぜなら、「膨れ」が発生するリスクが高いからです。

サイディングは表面からもある程度、通気を確保しています。通気工法の場合、表面を塗装しても、通気性を確保できます。

しかし、直張りサイディングでは塗装をすることで、空気の逃げ道がなくなり、表面の塗装を押し上げることで、膨れが生じるようなります。

「直張りサイディング」に理解の乏しく、何も知らずに塗装をしてしまうと、取り返しのつかないことになります。

サイディングを塗装する際は、サイディングの工法までしっかりと診断できる優良業者に依頼することが重要です。

「直張りサイディング」2000年前後に新築された、築15年〜20年ほどの住宅に多いです。当時は、サイディングの施工方法が定められておらず、安価に施工ができることから、ほとんどの戸建住宅で、「直張り工法」が採用されていました。
直張り工法の期間に該当する場合は、必ず、外壁診断を行い、「サイディングの設置工法」を確認してから、塗装をすることが重要です。

5-2.サイディングに弾性塗料は使用しない

サイディングに弾性塗料を使用しません。なぜなら、「膨れ」が生じるからです。

弾性塗料とは、伸縮性に富んだ塗料です。

塗装がゴムのように伸縮することで、ひび割れにも追随できるため、外壁が伸縮しやすく、ひび割れが発生しやすいモルタル外壁で幅広く使用されています。

しかし、サイディングはモルタルと比べて熱を持ちやすく、夏場の表面温度は60度にもなります。

サイディングに塗装された弾性塗料は、激しい伸縮を繰り返すようになり、サイディングと弾性塗料との間に、空気を巻き込むようになります。

このサイディングと塗料との間に入り込んだ空気が膨張して、塗膜を押げることで「膨れ」が生じます。

サイディングの塗装に知識の乏しい業者の場合、何も知らずに弾性塗料を使用するケースも多いので、注意しましょう。

まとめ

いかがでしたか?サイディングの塗装についてご理解いただけましたでしょうか?

本文中でもお伝えしましたが、サイディングは戸建住宅の「7割」に使用されている、もっとも普及率の高い外壁材です。

そのため、対応できる業者も多く、訪問販売業者や悪徳業者も多く存在しているため、実際に、サイディング塗装を行う場合は、しっかりと基礎知識を身につけてから業者を選ぶことが重要です。

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