外壁のひび割れの種類と補修方法を初心者にわかりやすく解説
「外壁のひび割れを見つけたけど、どうやって補修すれば良いの?」そう疑問に感じて、「外壁のひび割れ」について調べていませんか?
外壁のひび割れは溝の大きさによって、修理方法が異なります。
特に、外壁のひび割れの溝が、1mm以上ある、構造クラックは溝の隙間から雨水が侵入して雨漏りが発生する危険があります。
建物の躯体(骨組み)にも影響を与えるため、早急に補修をする必要があります。
そこで、この記事では、外壁のひび割れを理解して、適切に修理をするための基礎知識について具体的に解説します。
外壁のひび割れの原因と種類、適切な補修方法について理解できるようになるので、ぜひ最後までお読みいただき、参考にしてもらえればと思います。
1.外壁のひび割れの種類と原因
外壁のひび割れは大きく分類して、下記の4つがあります。
- ヘアークラック
- 構造クラック
- 乾燥クラック
- 縁切れクラック
ひび割れの原因は様々なあり、ひび割れの種類によっても補修方法が異なるります。まずは、ひび割れの種類と、原因について見ていきましょう。
1-1.ヘアークラック
ヘアークラックとは幅0.3mm以下の小さなひび割れです。髪の毛のような細いひび割れのため、ヘアークラックと呼ばれています。
ヘアークラックは紫外線で劣化した塗料(塗膜)が、電車や車などの振動によって、割れててしまうことから発生します。
ヘアークラックに深さはなく、雨漏りや外壁の腐食などに発展することはありません。
ただし、塗装の耐用年数よりも著しく早く、ヘアークラックが発生した場合は、塗装の乾燥時間を十分に取らなかったなどの塗装の施工不良が考えられます。
そのまま、放置をすると、塗膜が剥がれる可能性があるため、一度、業者に点検をしてもらうこと安心です。
1-2.乾燥クラック
乾燥クラックとは、モルタル外壁やコンクリートなどで発生しやすいクラックです。
モルタルやコンクリートは「湿式工法」とばれる、塗り壁タイプの外壁材です。
外壁材が乾燥する過程で、材料が収縮することで、外壁材にひび割れが発生します。
ひび割れ自体は非常に浅く、乾燥した時点で、拡大することはないので、早急な補修は必要はありません。
1-3.構造クラック
構造クラックはその名の通り、建物の構造的なクラックです。
ヘアークラックや乾燥クラックは、表面的なクラックだったのに対して、構造クラックは外壁材が、ひび割れている状態です。
溝が1mm以上開いた、外壁のひび割れは構造クラックに分類されます。
地盤沈下や地震などで発生するクラックであり、放置をすると、外壁材がごっそりと剥がれたり、躯体を腐食させたり、大きな被害に発展する可能性が高いです。
構造クラックは絶対に放置せずに、気がついた段階で補修をするようにしましょう。
1-4.縁切れクラック
モルタルやコンクリートなどの「湿式工法(塗り壁)」の施工は乾燥する前に、一気に仕上げます。
しかし、作業を途中で中断し、分けて施工をすると、新旧の壁に境目が生じます。
この境目に生じるクラックが縁切りクラックです。大体は、施工中に発見され、その場で補修されます。
2. 外壁材別のひび割れ特徴
外壁材にはモルタルとサイディングがあります。
サイディングよりも、モルタル外壁の方がひび割れが、発生しやすいのが特徴です。
サイディングとモルタルによって、ひび割れ原因や補修方法が異なるため、ここからは外壁材別のひび割れの種類について、具体的に見ていきましょう。
2-1.モルタル外壁
モルタルはセメント質の外壁材であり、湿式工法(塗り壁)なため、ひび割れが発生しやすいのが特徴です。
サイディングと異なり目地なく、伸縮に弱いため、地震や振動により、アルミサッシ部分にひび割れが発生することが多いです。
ヘアークラックであれば、外壁塗装やDIYでも修理が可能性です。
一方で、ひび割れ溝が、1mmを超える構造クラックの場合、しっかりと表面処理をしないと、ひび割れが広がってしまうため、業者による修理が必要になります。
2-2.サイディング外壁
サイディングは、モルタルと同様に、セメントを主原料とする外壁材です。
工場で生産された、外壁パネル(サイディング)を張り合わせて、外壁面を形成します。
基本的にサイディングはひび割れが発生しません。
しかし、経年劣化でサイディングが反ることによって、ひび割れが発生します。
外壁材のひび割れを補修後、釘を打ち付けてサイディングの歪みを補修します。
その後、外壁塗装で外壁全体のメンテナンスを行うのが一般的なメンテナンスの流れです。
3.外壁でひび割れが発生しやすい箇所
一般的に外壁のひび割れは、モルタル外壁で発生します。
モルタル外壁でもっともひび割れが発生しやすい箇所は、「窓サッシ」周りです。
アルミサッシとモルタルで素材が違うため、歪みが生じやすいことが原因です。
ここからは、モルタル外壁で、ひび割れが起こりやすい箇所と特徴について具体的に見ていきましょう。
3-1.窓・アルミサッシ部分
窓やアルミサッシとの取り合い部分は、建物の中でももっとも、ひび割れが発生しやすいです。
サッシ周りは雨水の通り道になりやすく、この付近の構造クラックは雨漏りの原因になりやすいです。
特に、サッシの下部から、下に伸びるひび割れは、雨水が侵入しやすいため、注意が必要です。
3-2.シーリング(コーキング)部分
外壁材のひび割れと異なりますが、サイディング外壁の場合、コーキングのひび割れ箇所から雨漏りが発生します。
コーキングとはサイディング外壁の、外壁パネルと外壁パネルの隙間を埋めるパッキンですが、経年劣化でひび割れたり、隙間が生じたりします。
そのため、サイディング外壁のメンテナンスの際は、外壁材の劣化だけでなく、コーキングの劣化もしっかりとメンテナンスすることが重要です。
3-3.増築の取り合い部分
増築で外壁を継ぎ足した部分や、開口部の位置を変更したり、塞いだりした箇所はひび割れが発生しやすいので注意が必要です。
縁切りクラックと同じ原理ですが、旧外壁材と新外壁材の境目にひび割れが発生しやすくなります。
4. 外壁のひび割れの対処方法
外壁のひび割れは、クラックの種類や、外壁材の種類によって、最適な修理方法が異なります。
ひび割れの状況によっては、早急に修理が必要なケースもあります。
そこで、ここからは外壁のひび割れを発見した際の最適な対処方法について具体的に見ていきましょう。
【STEP1】ひび割れの幅を測る
まず、外壁のひび割れを発見したら、ひび割れの幅を測り、ひび割れ補修の緊急度を確認しましょう。
結論から、お伝えすると、ひび割れ幅が、0.3mm以下のヘアークラックの場合、早急な補修や対応は必要ありません。
一方で、0.3mmを超える場合は、構造クラックの可能性があり、業者に点検を依頼することをオススメします。
さらに、ひび割れの溝が1mmを超える場合は、外壁の内部に雨水が侵入し躯体が腐食している可能性が高いため、早急な点検と、補修工事が必要です。
このようにまずは、ひび割れの補修の緊急度を確認するため、ひび割れの幅を測ることが重要です。
【STEP2】応急処置
業者に連絡をしてすぐに対応してもらえれば良いですが、対応してもらえないことがあります。
台風や地震などの直後は、外装関係の問い合わせが殺到して、現地調査が3ヶ月後、というケースも少なくありません。
このような時は、自分で応急処置を行うと被害の拡大を防止することができます。
外壁のひび割れの応急処置の方法は下記の2つの方法があります。
- チョーク式
- スプレー式
どちらもホームセンターに行けば手に入る、簡単な方法です。それぞれ、具体的に見ていきましょう。
チョーク式による補修
ホームセンターで売られているセメントチョークでひび割れを補修する方法です。
ホームセンターなどで購入できるセメントチョークを使って、ひび割れを補修する方法です。
ひび割れの溝に沿って、セメントチョークを充填することで、ひび割れを埋める方法です。
大きなひび割れの場合、表面だけがふさがり、内部は空洞になっているため、あくまでもの応急処置であることを忘れないようにしましょう。
スプレー式による補修
スプレー式のセメントを材を吹き付け補修する応急処置の方法です。
スプレー式で、吹き付けるだけで、ひび割れ箇所が塞がります。
こちらもあくまでも応急処置であり、1mm以下のひび割れ補修に有効です。
【STEP3】業者に連絡
業者に連絡をしましょう。外壁のひび割れ補修は、塗装業者が最適です。
外壁塗装の下地処理で外壁のひび割れ補修を行なっているため、適正価格で最適な補修工事を実現できます。
5.外壁のひび割れ補修の費用相場
工事の内容 | 費用相場 |
部分補修 | 8万円〜30万円 |
全体補修 | 50万円〜130万円 |
外壁のひび割れ補修の費用相場は、部分補修であれば、8万円〜30万円、全体補修であれば、50万円〜130万円ほどが相場です。
かなり価格に開きがありますが、状況によって再塗装が必要になり、実際に現地を見なければ、金額をお伝えできないからです。
そのため、高額な補修工事に発展させないために、定期的に点検を行い、メンテナンスをすることが重要です。
9.外壁のひび割れの補修方法
ここからは外壁のひび割れの補修方法について見ていきましょう。
ひび割れ箇所ををディスクサンダーやカッターでV字に削る
ディスクサンダーやカッターで外壁のひび割れをV字にカットします。
V字の溝にプライマーを塗布する
V字カットした箇所にプライマーを塗布します。
コーキングを充填する
プライマーを塗布したらコーキングを充填します。
ヘラを使ってコーキングを均す
専用のヘラを使ってコーキングを均します。
再塗装を行い模様をなじませる
最後にパターンを合わせたらひび割れ補修は完了です。
まとめ
いかがでしたか、外壁のひび割れについてご理解いただけたかと思います。
本文中にもお伝えしましたが、外壁のひび割れは、ひび割れの溝によって緊急度が異なります。自宅の外壁のひび割れを理解して、適切に補修をすることが重要です。
トラブルなく外壁塗装を成功させるなら
外壁塗装は、修繕規模によっては何百万円もの費用がかかります。
だからこそ、依頼をする業者は慎重に選ぶべきです。
いえぬりでは、資格保有のアドバイザーがお客様に合った業者選びのお手伝いをさせていただきます!