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外壁塗装の塗料の種類について理解を深めよう

  • 2016年10月24日
  • 塗料
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外壁塗装という分野自体が、一般の方にはなじみの薄いところであるので、塗料の種類やグレードなどに関してよくわからない方が多いと思いますが、外壁塗装の塗料選びは住宅の寿命を左右するほど重要なものなんです。

種類ごとの単価や大体の特徴を知っておくと、不適切な価格設定をする業者とのトラブル回避にもつながります。

今回は、現在使用されている主な塗料の種類についてお伝えしていきます。

外壁塗装の塗料の種類とグレード

塗料名 耐久年数 参考価格帯 特徴
アクリル塗料 5年 90万円 価格は安いが耐久性が低い。現在ではほとんど使用されていない。
ウレタン塗料 8年 95万円 外壁塗装の密着性に優れ、木材や鉄部の塗装に最適。
シリコン塗料 10年 100万円 現在、最も主流な塗料で耐久性と費用のバランスが良い。
ラジカル塗料 13年 105万円 シリコン塗料と同等の価格帯でありながら、耐久性が高い次世代塗料。
フッ素塗料 15年 120万円 価格は高いが、耐久性が高く、防汚性や防水性に優れた高級塗料。
遮熱・断熱塗料 15年 125万円 外壁・屋根の表面温度を下げる。夏は涼しく、冬は暖かい住環境に貢献する。
光触媒塗料 18年 130万円 太陽の光で汚れを浮かせる塗料。塗料の中で最も汚れに強い。
無機塗料 20年 140万円 現在、流通している塗料の中で最も耐用年数が長い。

外壁塗装で主流な塗料はシリコンとラジカル

外壁塗装で使用される塗料には様々な種類がありますが、現在最も普及しているのは、シリコン塗料とラジカル塗料です。特にシリコン塗料は費用の割に耐久性が高く、コストパフォーマンスに優れていることから外壁塗装業界では70%のシェアがあります。

塗料選びに迷った際は、まずはシリコン塗料とラジカル塗料を中心に検討してみましょう。

外壁塗装の塗料の分類について

ここでは、外壁塗装の塗料が種類別にさらに細かく分類されることについてお伝えします。そこまで踏み込まなくても良いという方は、次の項目へ進んでしまって問題ありません。

外壁塗装にはウレタン、シリコン、フッ素などの塗料のグレードによって種類が分かれていますが、さらに水性と油性、1液型と2液型と、塗料の種類が分類されます。

例えば、一言にシリコン塗料と言っても、水性シリコン塗料と油性シリコン塗料の2種類があり、同じシリコン塗料であっても耐久性や価格が違います。

さらに、水性と油性の中でも、1液型と2液型に塗料が分類されています。

水性と油性の違い

  • 水性塗料・・・水で希釈して使用する塗料
  • 油性塗料・・・溶剤(シンナー)で希釈して使用する塗料

塗料は塗装される外壁材の種類や木材や鉄などの塗装をされる下地によって最適な粘性になるまで、水やシンナーなどで薄めて使用します。

例えば、木材は塗装の吸い込みが良く、ネバネバした粘性のある塗料の原液のままだとうまく密着しません。そこで、塗料の原液を水で薄めてサラサラにした状態で塗装をします。外壁塗装で使用される塗料は、塗装される外壁材や、下地によって最適な粘性があり、定められた希釈率というものがあります。

その中で、水で希釈できる塗料が水性、シンナーなどの溶剤で希釈する塗料が油性となります。

水性塗料 油性塗料
メリット
  • 臭いが少ない(近隣住民などに迷惑をかけない)
  • 現場での保管が簡単
  • 価格が安い
  • 長持ちする傾向がある
  • 艶を維持しやすい
  • 低温でも乾燥させやすい
デメリット
  • 油性塗料よりも耐久性が低い傾向がある
  • 塗装できる下地に制限がある
  • 艶が落ちやすい
  • 気温が低すぎる(0度以下)では塗装ができない
  • 臭いが強い
  • 価格が若干高め

1液型と2液型の違い

  • 1液型・・・そのまま使用できる。
  • 2液型・・・硬化剤を入れて使用する。

1液型と2液型の違いは、塗料の硬化に硬化材を必要とするかしないかの違いです。

1液塗料はホームセンターなど市販されている塗料に多いのですが、硬化剤を添加しなくても、空気に触れるとで硬化が始まります。一方で、2液型塗料は、硬化剤を添加することで硬化が始まります。

一般的に硬化剤を使用する2液型の塗料の方が、硬化剤の化学反応で下地と塗料の密着が良くなるとされています。

しかし、硬化剤を添加した塗料は保存ができないために、しっかりと分量を計算して使用しなければなりません。

1液型 2液型
メリット
  • 価格が比較的やすい
  • 混合、攪拌の手間がない
  • 余っても次の日に使える
  • 長持ちする傾向がある
  • 艶を維持しやすい
  • 低温でも乾燥させやすい
デメリット
  • 耐久性(耐候性)が低い
  • 保管しにくい
  • 塗装する箇所が限られる
  • 価格が比較的高い
  • 混ぜたらすぐに使わないといけない
  • 混合攪拌の手間がある

塗料の種類ごとの特徴

アクリル塗料|耐用年数4年~8年

アクリル塗料は塗料の原料がアクリル樹脂の塗料です。

アクリルはカーポートの屋根材や水槽のガラスなどに使用されている素材で、無色透明なためにどんな色にもまぜ合わせやすく、色がはっきり出るのが特徴です。

アクリル塗料は古くからある塗料で、シリコン塗料が普及する以前は、外壁塗装の主流な塗料として人気がありましたが、現在ではほとんど使用されることがなくなりました。

アクリル塗料の詳細はアクリル塗料の費用相場とメリット・デメリットからどうぞ

アクリル塗料の詳細

耐用年数 5~7年
施工単価(1㎡あたり) 1,400~1,600円
メリット
  • 艶があり色がはっきりでる
  • 価格が一番安い
デメリット
  • 耐用年数が非常に短い
  • クラックが発生しやすい
  • 屋根用のアクリル塗料がない

ウレタン塗料|耐用年数8年~10年

ウレタン塗料は塗料の原料がウレタン樹脂の塗料です。

ウレタンは低反発のマットレスやベッドなどで私たちの日常でも広く普及していて、伸縮性に優れているのが特徴です。柔らかい塗装面を作るので木部(木材)や鉄部などの塗装が剥がれやすい箇所には最適な塗料です。

ただし、紫外線に弱く変色しやすいという弱点があるために、外壁塗装ではあまり使用されずに、破風板や軒天といった木部塗装や、ベランダの手すりなどの鉄部の塗装で使用されるのが一般的です。

ウレタン塗料の詳細はウレタン塗料の費用相場とメリット・デメリットからどうぞ

ウレタン塗料の詳細

耐用年数 8~10年
施工単価(1㎡あたり) 1,700~2,200円
メリット
  • 伸縮性がありヒビ割れに強い
  • 木部・鉄部の塗装に最適
  • 価格が安い
デメリット
  • 紫外線に弱く変色しやすい
  • 塗料の耐用年数が短い

シリコン塗料|耐用年数10年~13年

シリコン塗料は塗料の原料がシリコン樹脂の塗料です。

樹脂としてのシリコンは哺乳瓶やスマートフォンの保護ケースに使用されたりなど、私たちの日常にも広く普及しています。

塗料の中でも、耐用年数(耐久年数)と施工価格のバランスが良く、コストパフォーマンスが高い塗料として人気で、現在最も普及している塗料です。

シリコン塗料の詳細はシリコン塗料の価格相場とメリット・デメリットからどうぞ

シリコン塗料の詳細

耐用年数 10~13年
施工単価(1㎡あたり) 2,300~3,000円
メリット
  • コストパフォーマンスが高い
  • ウレタン塗料と比べて耐久性が高い
  • 
塗装面が汚れにくい(艶がある)
  • 塗料の種類が豊富
デメリット
  • ひび割れが起こりやすい
  • 品質が曖昧な商品もある

ラジカル塗料|耐用年数10年~15年

ラジカル塗料は、2012年に大手塗料メーカーの日本ペイントが開発した次世代塗料です。

ラジカル塗料自体はアクリル樹脂を原料とする塗料ですが、ラジカル反応と呼ばれる、塗料が紫外線で劣化してしまう化学変化を制御・抑制する新技術を応用した塗料です。このラジカル反応を制御する技術、「ラジカル制御技術」からラジカル塗料と呼ばれています。

ラジカル塗料の最大の特徴として、シリコン塗料と同価格帯でありながら耐用年数(耐久性)が長いという点です。シリコン塗料以上にコストパフォーマンスが高い塗料として、外壁塗装で普及が期待させる塗料です。

ラジカル塗料とシリコン塗料の違いはラジカル塗料とシリコン塗料を徹底比較からどうぞ

ラジカル塗料の詳細

耐用年数 10~15年
施工単価(1㎡あたり) 2,500~3,000円
メリット
  • シリコン塗料よりもコストパフォーマンスが良い
  • 塗装面が汚れにくい(艶がある)
デメリット
  • 普及して間もないために施工実績が少ない

フッ素塗料|耐用年数15年~20年

フッ素塗料の原料はフッ素樹脂です。

フッ素樹脂は、別名テフロンとしてフライパンのコーティングが有名です。そのことからも想像しやすいように、耐久性能に優れ、汚れに強いのが特徴です。

現在、普及している塗料の中でも高級塗料として扱われています。

フッ素塗料の詳細はフッ素塗料の相場価格とメリット・デメリットからどうぞ

フッ素塗料の詳細

耐用年数 15~20年
施工単価(1㎡あたり) 3,800~4,800円
メリット
  • 耐用年数(耐久年数)が長い
  • 紫外線による劣化がに強い
デメリット
  • 価格が高い

遮熱・断熱塗料|耐用年数15年~20年

遮熱・断熱塗料は、太陽光による外壁・屋根の温度上昇を防ぐので、住環境の改善やエアコンの消費電力の削減など、省エネが期待出来る塗料です。

一般的に遮熱・断熱塗料と一括りに呼ばれていますが、遮熱と断熱では外壁の表面温度の上昇を抑制する方法に違いがあり、実際の効果も異なります。

遮熱塗料

太陽の光を鏡のように反射させることで外壁・屋根の表面の温度を下げる

断熱塗料

熱伝導率を低くする(熱しにくく、冷めにくい)ことで、断熱性能を発揮する

太陽の光を反射させる、遮熱塗料は夏場は良いのですが、冬場も光を反射してしまうと言われているので、遮熱・断熱塗料を使用する際は、遮熱塗料か断熱塗料かを確認して、専門家のアドバイスをもらいながら検討しましょう。

遮熱・断熱機能をもつガイナ塗料について詳しく知りたい方はこちらから

遮熱・断熱塗料の詳細

耐用年数 15~20年
施工単価(1㎡あたり) 4,000~4,500円
メリット
  • 屋根・外壁の寿命が長くなる
  • 節電効果を期待できる
デメリット
  • 価格が高い

光触媒塗料|耐用年数18年~20年

光触媒塗料は、タイルメーカーで有名なTOTOが開発した塗料で、太陽の光で外壁の汚れを分解して、雨水で洗い流せる次世代塗料です。

光触媒塗料は外壁塗装で使用さえる塗料の中で、最も防汚性に優れた塗料で、施工店からも高い評価を得ています。

一方で、光触媒塗料で塗装された外壁は、次回の塗装の際に塗料の密着が悪くなるというデメリットもあります。

なので光触媒塗料で外壁塗装を検討する際は、光触媒塗料での施工実績が豊富な専門業者と相談をしながら次回のメンテナンスを含めて検討しましょう。

次世代塗料|光触媒塗料の特徴はこちらで詳しく解説しています。

光触媒塗料の詳細

耐用年数 18~20年
施工単価(1㎡あたり) 4,200~5,000円
メリット
  • 汚れが非常につきにくい
  • 雨水で外壁を洗い流せる
デメリット
  • 施工価格が高い
  • 次回の塗装の際に塗料の密着が悪くなる

無機塗料|耐用年数20年~25年

無機塗料とは塗料の原料に無機物を配合した塗料です。

無機物とは粘土や石などの鉱物のことを指します。ピラミッドに代表される古代遺跡は石や粘土などの無機物で作られているために、現在までその姿を維持しています。

無機塗料も考え方は同じで、紫外線で劣化をしない無機物を塗料に配合することで、塗料の耐久性を飛躍的に向上させた次世代塗料です。

無機塗料の詳細は無機塗料の相場価格とメリット・デメリットからどうぞ

無機塗料の詳細

耐用年数 20~25年
施工単価(1㎡あたり) 4,500~5,000円
メリット
  • 料の中で最も耐用年数(耐久年数が長い)
  • 変色しづらい
デメリット
  • ひび割れが発生しやすい
  • 価格が高い

まとめ

外壁塗装は塗装される塗料の種類によって特徴が異なり、耐用年数も異なります。そして基本的に、最初に塗装をした塗料によって今後の外壁のメンテナスサイクルが変わります。

はじめて外壁塗装をする方は、塗料の耐用年数(耐久年数)をしっかりと確認して、塗料を選びましょう。

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外壁塗装は、修繕規模によっては何百万円もの費用がかかります。
だからこそ、依頼をする業者は慎重に選ぶべきです。

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