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外壁塗装の模様(パターン)の種類と施工の注意点

  • 2016年7月19日
  • 工事の流れ・工程
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外壁塗装を検討している時にまず考えるのは、劣化を抑えるための塗料や工法だと思います。

それと同時に外壁の美観を考えるのは当然のことでしょう。どんなデザインにするか、どんなカラーにするかなど、大切な住まいをコーディネートするのも楽しみの一つだと思います。

そこで、外壁材別に模様のデザインと塗装方法をまとめてみました。

まずは、お住まいの外壁材を知り、そこからどんなデザインができるのか、参考にしてください。

1. モルタル外壁の模様(パターン)の種類

まずは、モルタル壁です。

モルタルとは、セメントに砂と水を混ぜたものです。

ワイヤーラス(網状の針金)等の上にモルタルを左官で塗り、その後塗装してしあげていくのが一般的な工法です。

モルタル壁は、アルカリ性が強く水分の乾燥が早いのが特徴です。

また、耐久性・耐水性・耐火性に優れています

少し前までは、日本住宅のほとんどにモルタルが使用されていましたが、近年では徐々に割合が減少しています。

1-1. モルタル外壁の模様(パターン):打ちっぱなし

morutaru

モルタル打ちっ放しだと、無機質な感じになります。

そこで、上から塗装で色を付けたり、模様を付けたりして仕上げます。

最近では、無機質な風合いを活かし、外壁や内壁をあえて打ちっぱなしにするデザインも人気です。

模様の種類は様々で工法や工具によってオリジナルデザインの壁を造り上げることができます。

2-2. モルタル外壁の模様(パターン):吹き付け工法

塗料に骨材を混ぜ合わせ、専用のスプレーガンで吹き付ける工法です。ガンの種類によってそれぞれ模様が変わります。

代表的な仕上げ工法は、「吹付リシン」・「吹付タイル」・「吹付スタッコ」です。

【吹き付け工法1】リシン

昔からある模様仕上げで、コストも抑えられ安価のため、現在でも新築時の塗装で1番取り入れられている塗装仕上げの工法です。

つや消しと凹凸模様が特徴です。

カップガンを使用しアクリル系塗料やシリコン系塗料を吹き付ける際に、細かな石を骨材として混ぜて吹き付けるため凹凸模様が出来上がります。

骨材として使用される石は様々な大きさがあるのでデザインの幅が広がります。

デメリットは、耐久性が低いためクラック(ヒビ)が入りやすいことが挙げられます。

基本的には、壁に塗料を吹き付けただけなので薄付けの仕上がりとなり、周辺環境などによりますが、一的な耐久性は8年程が目安となります。

使用される骨材は、主に砂や細かく砕いた岩などです。

【吹き付け工法2】掻き落とし(かきおとし)

「荒らしもの」と呼ばれる仕上げの一種で、表面を剣山のような道具やブラシなどで粗削りする、もしくは仕上がり後の壁を削って仕上げる方法です。

混入された骨材の粒度が大きければざっくりしたデザインになり、逆に小さいとしっとりしたデザインになります。

また、掻き取りの量の多少によっても微妙な変化を付けることが可能です。

【図】リシン仕上げ

粒度 リシン吹きつけ リシン掻き落とし
工法1 rishin_01 rishin_04
工法2 rishin_02 rishin_05
工法3 rishin_03 rishin_06

【吹き付け工法3】スタッコ

簡単に言うと、リシン塗装の5~10mm厚塗りバージョンです。

リシンと比べると大柄で、より立体的で重厚感があり、高級感が出ます。

セメント系・けい酸質系・合成樹脂エマルション系などの仕上げ塗材を使用し、厚さがあるため、耐久性も高まっています。

重厚かつ厳かな雰囲気を演出でき、外壁・内壁・天井などに用いられます。

耐久性は周辺環境にもよりますが10年程と認識されています。

しかし、20年程経過しても劣化したように感じない仕上げ方法です。

ゴツゴツとした仕上がりになるため、汚れが溜まりやすく、再塗装が大変というデメリットがあります。

使用される骨材は、石炭、大理石、貝殻、砂などです。

補足:スタッコの凸部処理

吹き付け後にコテやローラーを使って凸部を平らに抑える工法です。

【図】スタッコ仕上げ

スタッコ吹放し スタッコ凸部処理01 スタッコ凸部処理02
sutakko_01 sutakko_02 sutakko_03

【吹き付け工法4】タイル吹き(ボンタイル)

ボンタイルとも呼ばれます。

粘土のような素材(タイル)などの主材のベースを吹き付けてから、凹凸模様の下地を作り上から塗装して仕上げるという3段階の工程を施します。

ローラーやコテ・コンプレッサーなどを使用して表面を仕上げていきます。

合成樹脂などの結合材とけい砂・寒水石・軽量骨材などが主原料となります。

この中でも、アクリル系とシリコン系とがあり費用が安いのはアクリル系ですが、汚れにくく水洗いができ、なおかつ、ヒビ割れが起こりにくいシリコン系をおすすめします。

耐久性は上塗りに使用する塗料によりますが、タイル吹付工法は劣化したら上塗りすればまた性能が戻るという利点があります。

また、下地への密着性・耐久性に優れています。施工が比較的に簡単で安定した仕上がりが期待できます。
スタッコに比べると柄が小さく、ツヤ有りが主流のため表面がツルツルとしています。

補足:押さえ仕上げとは?

吹き付け後、タイルが半乾きの時にローラーで押さえていく工法です。

【図】タイル吹き仕上げ

タイル吹放し タイル凸部処理
tairu_01 tairu_02

2-3. モルタル外壁の模様(パターン):ローラー工法

ローラー工法とは、耐水紙や動物の毛、合成繊維を円筒に巻き付けているローラーを用いて塗装する方法で、手塗りのため塗料の飛び散りも少なく、しっかりと塗りこめるので厚みと耐久性の高さが特徴です。

ローラーには様々な種類がり、毛足の長さや太さによって仕上がりに変化がみられます。

【表】ローラー種類

長毛タイプ 荒い面の塗装時に使用する。
他のタイプに比べて凹凸を綺麗に塗り上げることが可能。
中毛タイプ 比較的にどんな面の塗装に
他のタイプに比べて一番万能なローラー。
短毛タイプ 平滑な面を塗装するのに適している。

【図】ローラー仕上げ

ローラー仕上げ マスチックローラー仕上げ ゆず肌ローラー仕上げ
rora_02 rora_01 rora_03

2-4. モルタル外壁の模様(パターン):コテ工法

職人がコテを使って模様をつけていきます。

自由に描くことができるため、どんな模様でも作ることが可能です。

また、コテだけでなく、刷毛やローラー、吹きつけガンなどを同時に使用してデザイン性を高めていきます。

最近では各メーカーが意匠性塗材を販売していて、デザインの幅がとても広がっています。

デザインの種類があまりにも多いため、業者によって出来るものと出来ないものがあるでしょう。

希望の模様が見つかったら、カタログなどを見せて打ち合わせするといいでしょう。

3. サイディングボードの模様の種類

サイディングボードとは、すでに模様がついた板を工場で製造したものを言います。例えば、レンガ調や石積調など多種多様なデザインがあります。

【表】主なサイディングボードの種類

窯業系サイディングボード セメントと繊維質を主原料とし、板状に形成したもの。
合成樹脂系サイディングボード 色のついたプラスティックを板状に加工したもの。
金属系サイディングボード スティールやアルミなどを表在に、ポリウレタン発泡剤を裏打ちにしたもの

【図】サイディングボード種類

窯業系サイディング 窯業系サイディング 窯業系サイディング
siding_01 siding_02 siding_03
合成樹脂系サイディング 金属系サイディング 金属系サイディング
siding_05 siding_04 siding_06

3-1. サイディングの模様(パターン)の種類:クリヤー塗装

サイディングクリヤー

2色以上使用している場合や高意匠なデザインの塗り替えの場合、相場を超えて高額になりますし、時間もかかってしまいます。

それでも今の外壁の風合いを変えたくない場合は、透明な塗料で壁をコーティングする方法があります。
ただ、元の外壁の状態によってはクリヤー塗装できません。

色あせや劣化が激しくなる前に早めの塗り替えが必要です。

3-1. サイディングの模様(パターン)の種類:色塗り

サディング色塗り

タイル調やレンガ調サイディングを単色塗りしてしまうと、目地も塗り潰されてしまいます。

そこで、凹凸面のあるサイディングの特徴を活かすために、2色で塗装する方法です。

ローラーの毛の長さを変えたり、目地にテープを貼ったりして塗り分けます。

サイディングの種類ごとの特徴についてはサイディングの種類と特徴を徹底解説をどうぞ

まとめ

いかがでしたでしょうか?モルタル、サイディングのパターンについてこ理解いただけたかと思います。

一言に、「外壁塗装」といっても外壁の模様やパターンによって工法や工程が異なります。例えば、リシンの掻き落としの場合、サイディングに比べて凹凸が激しく塗料が浸透しにくいのが特徴です。

このように一概に外壁塗装と言ってもパターンに合わせて工法を変える必要があるので、リシンやスタッコなどの外壁塗装の場合は、熟練した塗装業者に工事を依頼することが確実です。

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外壁塗装は、修繕規模によっては何百万円もの費用がかかります。
だからこそ、依頼をする業者は慎重に選ぶべきです。

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