外壁塗装を自分(DIY)でするのは辞めたほうがいい?
DIYとは『Do it yourself』の略で「ディー・アイ・ワイ」と呼ばれ、自分で新しく作ったり、修理したり、装飾したりすることです。当然、外壁塗装のDIYをされる方もいます。
外壁塗装のDIYは高所に昇ることになるため、椅子や棚づくりと比べて危険性が高いです。また、塗装後に外壁にムラができてしまうといった失敗も多いので、事前予習は必須です。
以上を十分に理解していただいだ上で、DIYに興味のある方へメリットやデメリット、塗り替えの工程や注意点などをお伝えしていきます。
目次
外壁塗装をDIYするメリット・デメリット
楽しく自分流に壁を塗り替えられる外壁塗装のDIYですが、危険性を含んだ、多くのデメリットがあることを理解した上で、外壁塗装工事を行う様にしましょう。
メリット
- 費用の節約になる。
- 「自分で塗った。」という達成感や愛着が持てる。作業を楽しめる。
- 小さな補修にも対応が出来る。
- 人に家を触られずに済む。
- 知らない人が敷地内に出入りしないで済む。
デメリット
- 手間や時間が非常にかかる。
- ケガや事故の可能性がある。
- 間違った塗装をしてしまう可能性がある。
- 数年後にトラブルが起きて、再度、多大な費用がかかってしまう可能性がある。
- 塗料の量が予測出来ずに、余ったり足りなくなったりしてしまう。
- 近隣とのトラブルの可能性がある。
- 大きな事故が発生してしまうと、最悪な場合は死亡する可能性もある。
- 仕上がりのムラが多くなり、見栄えが悪くなる。
外壁塗装をDIYする際の注意点
1.落下や転落などの事故の危険性
外壁塗装工事中によくある事といえば、落下事故や転落事故です。
日本塗装工業会が集計したデータによりますと、平成17年の塗装工事中における死傷者は777人で、その内、落下や転落が原因である方は全体の71.2%の553人にも上ります。
そして、このデータは労災事故に基づいたものであり、つまりはプロの塗装業者の方のみのお話で、素人の事では無いのです。
この数字を見て分かる様に、いつも塗装工事を行っているプロの塗装業者の方でさえ、塗装工事についつい没頭して、足元の状態を理解出来なくなってしまい、落下事故や転落事故を起こしてしまうのです。
DIYでの落下事故や転落事故はこれ以上に多く、大きな怪我に繋がってしまったという方も沢山います。
現場慣れをしているであろう、プロの塗装業者の方ですら、こんなに事故を起こしてしまうのです。
そう考えると、私達素人が塗装工事を行って、ケガや事故を起こさないハズが無いのです。DIYで塗装工事をするのなら、ケガや事故は覚悟の上で行ってください。
2.塗りムラが出て、美観を損ねる
きっとあなたがDIY塗装工事を行った後、きちんと刷毛やローラーを動かして塗装工事を行っていたつもりでも、いざ仕上がりを見てみると、酷い塗りムラがある事に驚くと思います。
一層の事、その様な模様なのだと思い、諦めると言う手段もありますが、明らかに模様とは言えない程の酷い塗りムラの場合はそう思えず、ただのカッコ悪い外壁になってしまいます。こうなってしまうと家の外観にも悪影響を及ぼしてしまいます。
いくら腕の良いプロの塗装業者が外壁塗装工事を行ったとしても、多少なりの塗りムラが出てしまいます。ですから私達素人が外壁塗装工事を行って、上手くキレイに塗装が出来るハズが無いのです。素人でキレイに外壁塗装が出来るのなら、塗装業者はいらなくなってしまいますよね。
3.施工不良で住宅の資産価値を低下させる
DIYで外壁塗装工事を行う上で、下地処理を万全に行わなかったり、乾燥時間や重ね時間をきちんと守らなかったりすると、わずか2~3年後には塗膜が剥がれてしまいます。この様なケースは良くある話なのです。
自分の家をDIYで手掛けていくという事は、とても楽しい事です。
外壁はどんな色合いにしようか、どんな仕上がりにしようか、色々と考えたり試行錯誤を繰り返すのも、自分の家ならではの楽しみです。
しかし、外壁塗装工は危険やリスクも沢山背負ってしまうという事も事実です。
外壁塗装を自分で行う前に用意するもの
- 高圧洗浄機
- 脚立、ハシゴ
- 養生シート、ビニール
- 安全ベルト
- ヘルメット
- 安全足袋
- 防毒マスク
- 雨合羽
- ペイント資材
- ナイロンタワシ・ワイヤーブラシ
- マスカーテープ(ビニールとマスキングテープが一体になっている物)
- 刷毛(幅2~5cmで大きさの異なるものを2、3本)
- ローラー
- 下げ缶
- 下塗り塗料(シーラー、さび止め塗料など。溶剤系または水性の適する方を選ぶ)
- 仕上げ塗料(好きな塗料を選ぶ)
- シンナー(塗料の種類によっては必要)
この様に、それぞれの建物の悩みを解決させる塗料もありますので、建物の機能を高めるのを第一優先に考えて、塗料を選ぶ事も良いでしょう。
また、DIYで外壁塗装工事行う際にオススメの下塗りは、水性塗料です。
その理由は、施工性が高く臭いが少ない為、私達素人でも扱いやすいという理由からです。
油性塗料はと言うと、私達素人には物凄く扱いにくい塗料で、作業も大変になってしまう為、お勧めは出来ません。
外壁塗装をDIYする際の工程
まず始めに、外壁塗装では落下やケガの危険がある為、作業する際には安全対策は万全に行ってください。
ヘルメットやその他安全器具も常に身に着けておきましょう。
1.足場を組む
足場は、業者に借りるか、もしくはホームセンターで購入します。
足場を組む際は、十分に気を付けてください。出来れば足場だけでも業者に依頼した方が良いかもしれません。
外壁塗装工事の場合は、プロの外壁塗装業者でも必ず足場を設立した上で外壁塗装工事を行います。
足場がしっかりした上で外壁塗装工事を行わななければ、適当な塗装となってしまいます。その位、外壁塗装工事を行う上で足場は大切なものなのです。
2.全体の確認をする
サビや、壁に隙間が無いか等、確認する。
3.外壁を洗浄する
塗料を塗る前にまず先に洗浄をします。(水道からホースが届かない場合がありますので、その場合は、ホース接続具を利用しましょう。)
汚れの上にそのまま塗料を塗ってしまうと、剥離が起きやすくなりますので、キレイに洗浄作業をします。
高圧洗浄機で汚れを洗い流した後は、タワシやブラシで苔を取り除きます。
カビが見られる場合はカビ取り剤などを使ってきれいに落とします。
古い塗膜はサンドペーパーなどで研磨しておくと塗料が塗りやすくなり、仕上がりも良くなります。
塗装の汚れなどは塗りムラになったり、一部分だけ剥がれてきたりする原因の一つです。
ここでの作業が仕上がりを左右すると考えてもらっても良い程、大切な作業です。時間をかけて、ゆっくりと丁寧に行いましょう。
水洗いが終わったら、丸一日かけて乾燥させましょう。
4.養生をする
塗料が飛び散るので、ビニールシートで保護していきます。場所によってマスカーテープを利用しましょう。ガムテープは、剥がした時に跡が残るので使用は避けましょう。
特に車は高額なものなので、専用の塗料飛散防止カバーを購入し、近隣住民には配慮してください。
養生が必要な理由は、塗料が他の場所に飛び散ってしまうのを防ぐ役割と、地面との境や軒部分などに付着しない様に防ぐ役割があります。
この点が防げる様に、きっちりと養生をしてください。養生は新聞紙ではなく専用のビニールを用意しましょう。
5.壁の隙間やサビ等を修復する
壁の隙間には、古いコーキングを剥がして、新しいコーキング剤を流し込みます。
釘のサビにはタッチアップ(塗料を塗る事)をしてください。
6.塗装作業開始
主にハケやローラーを使って塗っていきます。
下塗り→中塗り→上塗りと3つの工程に分けられていますので、塗料は説明書に従って正しく使いましょう。
窓等、塗料が付いてはいけない所はきちんと確認してから作業を行いましょう。
失敗しても目立たない裏側から施工することをオススメします。
一度に厚く塗ろうとすると塗料の垂れなどが発生し、キレイに仕上がりません。
塗り方は上部から薄く均一に塗ります。塗り重ねや塗り残しは必ず乾いてから塗り直す様にしてください。
下塗り→中塗り→上塗りの3回を実施すれば塗装は完了です。
7.養生、足場を外す
最後に養生、足場を外します。養生はテープなどが残らないように慎重に外してください。
足場を外す際は、再度気を付けながら作業をしてください。
8.完成
DIYでは様々なゴミが出るので、ゴミは市区町村の指示に従って正しく処分してください。お疲れ様でした。
おおまかではありますが、このような工程になります。
高圧洗浄で必要な塗膜まで落としてしまったり、下地調整が上手くいかなかったり、プロでない以上、様々なトラブルが起きる可能性があります。
そして何よりも、これだけの工程をこなさなくてはならない為、かなりの重労働である事は覚悟しておいてください。
まとめ
自分にでも出来そうと思える外壁塗装のDIYですが、危険や失敗のリスクもたくさん背負ってしまうという事も事実です。その辺をきちんと踏まえて、DIYでの外壁塗装工事を行うようにしましょう。
外壁塗装の工程を知り、自分で塗装ができるのかどうか不安になった方は、一度専門の塗装業者に相談をしてみてください。安全面や仕上がり面の事を考えると、知識も経験も違うため、やはり塗装業者に頼むのが一番です。
トラブルなく外壁塗装を成功させるなら
外壁塗装は、修繕規模によっては何百万円もの費用がかかります。
だからこそ、依頼をする業者は慎重に選ぶべきです。
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