外壁塗装の工程を初心者の方にも分かりやすく画像を使って全解説
「外壁塗装はどんな工程で工事が進むの?」「工事期間中に気をつけることはあるの?」そう疑問に感じて外壁塗装の工程について調べていませんか?
外壁塗装の工事期間中は足場が組まれ、高圧洗浄や塗装などの工程によっては、窓が開かれないなど、いつも通りの生活ができません。
また、トラックの出入りや、ペンキの匂いなど、近隣住民への配慮を怠ると、思わぬトラブルに発展することも珍しくありません。
そのため、外壁塗装を行う際は、しっかりと工事工程を理解して、適切に対処をすることが重要です。そこで、この記事では、外壁塗装の工程について詳しく解説します。
外壁塗装の各工程をお伝えするだけではなく、工事期間中を安心安全に過ごすために知るべき注意点についても具体的に解説します。
これから外壁塗装を始める方にとって、非常に役に立つ内容なので、ぜひ最後までお読みいただき、参考にしていただければと思います。
目次
1.外壁塗装の工程と期間
外壁塗装は基本的に10日〜13日ほどですべての工程が完了します。雨などで工期が遅れた場合でも20日までには工事が完了します。
順調に工事が進んだ場合の外壁塗装の工程は下記のようなスケジュールで工事が進行します。
工程 | 期間 |
ご挨拶・塗装準備 | 1日目 |
足場の設置 | 2日目 |
塗装前の洗浄 | 3日目 |
下地処理 | 4日目 |
塗装前の養生 | 5日目 |
下塗り | 6日目 |
中塗り | 7日目 |
上塗り | 8日目 |
点検と手直し | 9日目 |
片づけと足場の解体・撤去 | 10日目 |
外壁塗装の工程を理解することは非常に重要です。工程をしっかりと理解することで、手抜き工事を未然に防止することができるからです。
例えば、外壁塗装は「下塗り」「中塗り」「上塗り」と3回の重ね塗りで仕上げます。
それぞれ、塗装から乾燥まで含めると、それぞれ1日がかりの工程になります。
しかし、塗料の乾燥時間をしっかりと設けなかったり、下塗り工程を省略した場合、塗装工程が2日で仕上がります。
外壁塗装の工程と工事スケジュールを理解していないと、「作業が順調に進んだんだな」と思って、手抜き工事を見落としてしまいます。
一方で、工程を理解することで、「どうしてこんなに早く終わったの?」「塗料はちゃんと乾燥させたのですか?」と手抜き工事を見抜けるようになります。
このような理由から外壁塗装の工程を事前に理解しておくことは外壁塗装を行う上で、非常に重要です。
そのため、外壁塗装を行う際は、必ず工程表を提出してもらい、外壁塗装に必要な工程と、適切な施工期間が設けられていることを確認することが重要です。
2.外壁塗装の工程
ここからは具体的に外壁塗装の工程について見ていきましょう。工程の概要や目安となる施工期間、施工中の注意点を詳しく解説していきます。
【工程1】ご挨拶・塗装の準備
まず始めに、ご近所に外壁塗装を行う連絡を兼ねてご挨拶を行います。外壁塗装は足場の設置で大きなトラックが出入りしたり、通行の妨げになってしまうことも多いです。
また、足場を設置する際の騒音や、塗料の匂いなど、少なからずご近所に不便をかけてしまいます。
近隣住民からの苦情やトラブルを未然に防止するため、挨拶回りを行います。
基本的にご近所への挨拶回りは、業者が代行してくれる場合も多いですが、代行してくれない場合は、施主様自身が行います。挨拶周りは工事着工の1週間前に行うのが一般的です。
挨拶回りの際に施主様が伝える内容は下記の通りです。
- 施工期間(いつ工事が始まり、いつ終わるのか?)
- 施工時間(何時から、何時まで工事をするのか?)
- 休日の工事について(休日に工事をする可能性はあるのか?)
挨拶回りでは、500円前後のお菓子屋やタオルを粗品として渡す施主様が多いです。
【工程2】 足場の設置(期間:1日)
職人の作業スペースを確保するため、足場を設置します。1階から2階にかけて、建物の周りを一周するように足場を設置します。
また、施工中に近隣に塗料が飛散しないように「飛散防止ネット」を張ります。
足場の施工は1日がかりの作業になります。
しかし、足場の施工は「足場の組み立て等作業主任者」の資格がないと組めません。
この資格を持っていない業者の場合、足場の施工を外部に委託するため、1.5日〜2日ほどかかる場合があります。
足場は職人が手作業で組み立てていきます。
職人がトラックから運搬する際の安全性を考慮して、庭先の鉢植えなどの障害物になりそうなものは片付けておくと安心です。
【工程3】高圧洗浄(期間:1日〜2日)
高圧洗浄機で外壁や屋根の汚れをキレイに洗い流す工程です。
外壁塗装は10年を目安に行いますが、泥やチョーキング(旧塗膜の劣化)やコケ、カビなどで汚れています。このような汚れた下地(塗装面)に塗装をしても、塗料が密着しません。
そのため、高圧洗浄で外壁や屋根に堆積した汚れをキレイに洗い流す必要があるのです。
高圧洗浄は15Mpaという洗車機よりも強い水圧で、汚れを削り取るように落としていきます。
しかし、高圧洗浄で取りきれない汚れもあります。高圧洗浄で取りきれない汚れは、ブラシやサンドペーパー(紙やすり)を使用して、手作業で落としていきます。乾燥させる時間も必要なため、1.5日〜2日ほどかかる場合もあります。
高圧洗浄の工程は泥や汚れが飛び散ります。窓に付着した泥やコケ、カビは乾燥すると固まり、取りづらいため、高圧洗浄の期間中は雨戸、シャッターはすべて閉めておくようにしましょう。
【工程4】 下地処理(期間:1日)
下地処理とは外壁材のひび割れ補修や鉄部のサビ取りなど、塗装の下地を整える工程です。具体的に下記のような下地処理を行います。
- ひび割れ(クラック)補修
- 旧塗膜の除去
- コーキングの交換
- 鉄部(金属部分)のサビ落とし
ひび割れた外壁材の上や、錆びた金属に塗装をしても、塗料が密着せずに剥がれてしまうのは容易に想像がつきますよね。
このように下地処理は塗装が十分に密着するように塗装の下地を整える工程です。
一般的に外壁塗装の仕上がりは塗装を行う職人の技術によって決まると思われていますが、実はこの下地処理によって塗装の品質は大きく左右されます。
そのため、この下地処理は外壁塗装の工程の中でも特に重要な工程になります。
新築10年目で初めて外壁塗装を行う場合など、外壁や屋根に特に問題がなかった場合、下地処理の工程は半日程度で完了します。
一方で、外壁に構造クラック(亀裂)が入っていたり、反っていた場合は、建物の躯体(骨組み)から修理をすることもあるため、2日〜3日ほどかかる場合があります。
霧よけ(庇)やトタンなどの鉄部は、ディスクサンダーやサンドペーパー(紙やすり)を使用してサビ取りを行います。このサビ取りはケレン作業と呼ばれており、鉄部塗装では絶対に必要な下地処理です。
重要なことなので、何度もお伝えしていますが、この下地調整の工程は塗装の品質を左右する重要な工程なので、見積もりに「下地処理(調整)」「ケレン」が含まれていることを確認しておきましょう。
【工程5】 養生(1日)
養生とはドアやサッシ(窓)など塗料が付着してはいけない箇所を保護する工程です。
ビニールシートや養生テープで塗サッシやドアを覆って、保護します。また、養生は建物だけではなく、室外機や植栽、車やバイクなど、エクステリア全体を保護します。
塗装は「塗装をした箇所」と「塗装をしない箇所」の境界線から、剥がれます。そのため、養生で塗装の境界線をまっすぐ出すなど、塗装の品質にも影響を与える重要な工程です。
養生のタイミングから、塗装工程が完了するまで、窓は開けられなくなります
【工程6】 塗装作業(3日)
いよいよ、塗装工程に移行します。塗装は「下塗り」「中塗り」「上塗り」の3回の重ね塗りで仕上げます。それぞれ、乾燥時間を設けるため、各工程1日かがりの作業になります。
下塗り工程(期間:1日)
下塗りはシーラーと呼ばれる下地強化を塗装します。
下地強化剤とは下地(塗装面)と中塗り塗料の密着性を高める塗料です。
特に、モルタル外壁はセメントを主原料としていいるため、塗料の吸収が激しいのが特徴です。
下塗り工程でたっぷりと塗料を吸収させることで、塗りムラがなくなり、均一な仕上がりになります。
このように下塗り工程は、塗装の下地を整え、中塗り塗料の密着性や、塗装全体の仕上がりを左右する重要な工程です。
中塗り工程(期間:1日)
中塗り工程はシリコンやフッ素などのメインの塗料を使用します。下塗り塗装が乾燥後、中塗り塗装を行います。
上塗り工程(期間:1日)
中塗りと同じ塗料で重ね塗りを行います。
上塗りは塗料に応じた規定どおりの塗膜(塗装の厚み)を形成する工程です。
塗料は製品によって塗装の厚さが明確に定められています。上塗りはこの規定通りの塗膜を形成する仕上げ塗装になります。
業者によっては1日で中塗りと上塗りを行うこともあります。
しかし、中塗り塗料が完全に乾いていない塗料の上に上塗りをしても。
塗料本来の性能が発揮されません。そのため、中塗りと上塗りのスケジュールをしっかりと確認しておくことが重要です。
また、中塗り、上塗り工程のタイミングで軒天や破風板などの付帯部塗装を行います。具体的な付帯部塗装の箇所は下記の通りです。
- 破風板
- 軒天
- 雨樋
- 土台水切り
- 雨戸(シャッターボックス)
- 霧よけ(庇)
- 換気フード
付帯部塗装は木部と鉄部の塗装が中心ですが、ケレン作業(下地処理)を行い、ウレタン塗料で仕上げます。ウレタン塗料はシリコン塗料よりも耐久性は劣りますが、密着性に優れています。
塗装が剥がれやすい木部・鉄部の塗装ではウレタン塗料が使用されます。
【工程7】 最終確認・足場撤去
外壁塗装工事のすべての工程が終了したら、養生で使用していたテープやビニールを取り外し、仕上がり状態の最終確認を行います。
最終確認には施主も参加しながら、仕様書と照らし合わせながら確認を行います。
気になる箇所は指摘し修正してもらい、満足のいく仕上がりではない場合は、塗装業者と話し合い、修正を依頼します。
確認が完了したら、足場を解体し、最終チェックを行い、すべてを撤去して工事完了です。
外壁塗装工事が完了するまでの期間は工事休業日を除いて、13日〜14日ほどになります。
3.外壁塗装の工事期間で注意するべきこと
最後に外壁塗装の工事期間で注意するべきことをお伝えします。
外壁塗装工事の期間中に注意したいチェックポイントは以下の3つです。
- 実際の作業を見る
- 工程の進捗状況を業者に確認する
- 午前中に塗装の仕上がりを確認する
それぞれ、具体的に見ていきましょう。
ポイント1:実際の作業を見る
実際の塗装工程をよく見ることをお勧めします。「工事を見ていますよ」「仕上がりを気にしていますよ」という意思表示になり、なり、手抜き工事や不正の抑止力となるからです。
そもそも、塗装の仕上がりや品質は10年が経過して初めて実証されるものです。塗装直後に手抜き工事を見抜くことはプロの目を持ってしても、至難の技です。
そのため、最終的には塗装職人を信頼するしか無いのですが、残念ながら手抜き工事も横行しているのが現状です。
特に、下請け業者が工事を行う場合は注意が必要です。塗料を薄めて使用するなどの、見ていなければ絶対に気がつけない不正もあります。
外壁塗装は10年に一度、100万円を超える高額な工事です。外壁塗装で失敗しないために、施工期間中は積極的に実際の作業を見るようしましょう。
ポイント2:作業の進捗状況を確認する
施工中のトラブルは、営業担当者と話した内容が、塗装職人に伝わっておらず、塗装漏れや色違いなどに発展します。
一般的に外壁塗装工事は工程表を提出してくれます。
工程表と現在の職人が行なっている作業のすり合わせを行うことがトラブルを回避する秘訣です。
優良業者の場合、作業前と作業後に、日報として作業の進捗状況を説明してくれます。
しかし、基本的にこちらから質問しないと、作業報告は行われないのが常識です。
作業ミスや連絡ミスを事前に防ぐため、作業の進捗状況を確認することが重要です。
ポイント3:午前中に塗装の仕上がりを確認する
外壁塗装の色味を確認する際は、晴れた日の午前中に見るようにしましょう。
太陽は正午に南中に位置しますが、南中は軒先や庇が影になりやすく、立地によっては少し暗い色味として見えます。
一方で、正午をすぎると太陽が西に移動するため、暖色っぽい色合いに見えるようになります。
そのため、仕上がりや色味がはっきりと見える、晴れた日の午前中に確認するようにしましょう。
どうしても、時間が合わない場合は、14時〜15時の時間帯がおススメです。
まとめ
いかがでしたか?外壁塗装の工程についてご理解いただけたけましたか?
本文中でもお伝えしましたが、外壁塗装の工程をしっかりと理解しておくことで、業者トラブルや近隣トラブルを未然に防止することができます。
外壁塗装を行う際は、しっかりと工程を理解して、適切な工事ができる業者に依頼することが重要です。
トラブルなく外壁塗装を成功させるなら
外壁塗装は、修繕規模によっては何百万円もの費用がかかります。
だからこそ、依頼をする業者は慎重に選ぶべきです。
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